「柔軟な股関節を作るヨガ~魔法のyokaメソッド」のメカニズム

股関節の柔軟性とヨガのポーズの効果

ヨガのポーズにヴィラバッドラアーサナⅠというポーズがあります。サンスクリット語では長くわかりにくいため、クラスでは「ウォーリアⅠ」と言われることが多いポーズです。前足は腿を外に開くため、外旋筋群が緊張し、膝を曲げ、前に踏み込み足の付け根が曲がっていますので付け根の筋肉である腸腰筋が緊張し、緊張した後は緩みやすくなるという筋肉の性質からこのポーズをした後はそれらの筋肉量が上がると同時に柔軟性が上がります。後ろの足は腰から骨盤の中を通り足の付け根の前から腿の骨に付いている大腰筋が引き伸ばされ、その拮抗筋(ヨガとストレッチの違い)である外転筋群が緊張し、これもまた同様に筋肉量と同時に柔軟性が上がります。
このように、このポーズをしていただくだけで股関節周りを安定させ柔軟にしてくれる効果があります。
しかしながら、これらの筋肉の十分な柔軟性がないと、そもそもこのポーズがとれないことが多いのが現状です。
柔軟性を養うためにしているヨガでなかなか効果を感じにくいのはこのためです。
このポーズは非常に代表的なヨガのポーズですのでクラスで出てくる頻度が高いにも関わらず、見た目以上に難易度が高く、本来のアライメント(正しい骨の配列)をとりにくいポーズのひとつでもあります。
本来のアライメントがとれていないと残念ながら上記の効果はあまり期待できません。
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柔軟な股関節を作るヨガ

このような問題を解決するのがわたしの提供する「柔軟な股関節を作るヨガ~魔法のyokaメソッド」です。例えばこのポーズであれば、アライメントを正しくとるために柔軟性が必要とされる上記に掲げた筋肉群があります。それらを、まずは股関節の硬さにかかわらずどなたでもできる方法で動かしたり鍛えたり伸ばしたりしてそのターゲット筋を柔らかくしなやかにしていきます。できないポーズをいくらやっても無意味だとわかっているからです。遠回りしているようで、実はこれが最速の方法なのです。「柔軟な股関節を作るヨガ~魔法のyokaメソッド」を続けていただければできていないポーズを続けるよりも早く、そのポーズを正しいアライメントで無理なくとれるようになり、ポーズの効果も得られるようになります。

柔軟な股関節を作るヨガ的アプローチとは

では、実際にこのヴィラバッドラアーサナⅠを例にして、このポーズがとれるようになるためのyokaメソッド的なアプローチをご紹介いたします。

緩める

筋肉が骨に付着しているところを腱と言います。腱をほぐすと筋肉が動きやすく、鍛えやすくなります。このポーズで使われる外旋筋群と外転筋群のほとんどが座骨と大転子に付着しています。それ以外では、直接刺激を加えにくいお尻の深層部に腱がありますので、この座骨と大転子をまずほぐします。座骨は片方ずつ床に押し付けるようにして自重をかけていきます。大転子は同じやり方ではほぐせませんので、タオルで結び目を作り、その上に大転子が乗るように横になり、自重をかけます。一箇所につき、20から30秒以上続けます。これらの筋肉群が硬い場合、このふたつの腱も硬くなっており、自重をかけると痛いことが多いです。体重のかけ具合を調整して痛くない範囲で行います。
これらの筋肉群の中でひとつだけ、細く長く膝まで伸びる筋肉があります。大腿筋膜張筋です。この筋肉は膝関節の裏側に付着しておりますので、ここを指で揉んでいただくとほぐすことができます。
腱がほぐれると、筋肉の緊張も緩み、これだけで関節の可動域が広がります。

動かす

可動域が広がったところで関節を動かしていきます。緩めたあとですので動かしやすく、また緩めてますので怪我もしにくくなっています。
骨盤に空いている半円形の穴にはまっている腿の骨をこの穴の中で動かしていきます。これでさらに可動域が広がります。
横方向
how to 膝立ちになり、右足を真横に伸ばしつま先を右の壁に向ける。右手の甲を右膝内側に添えて、息を吐きながら右膝をつま先と同じ方向へ曲げて踏み込む。
息を吸いながら戻る。
point 骨盤は向いてる壁と平行を保つ。股関節が硬い場合は、股関節が外側に開けず、踏み込んだとき右のお尻が後ろに引かれて骨盤が壁に対して斜めになる。そうならないところまで踏み込む。
添えてる右手のひらで膝が内側に入ってこないよう、踏み込むタイミングで力を加えて膝をつま先の方向へ向くようにサポートする。
縦方向
how to 後ろ足の膝を曲げて床に付き左右とも膝が90度になる幅で足を前後に開き立つ。後ろ足はつま先立ち。手は腰に沿える。吐きながら両膝を曲げて後ろ足の膝が床に付く前で止め、吸いながら両膝を伸ばす。
point 上体は床と垂直を保ったまま動く。上体が前傾したり、上に上がりきることができない場合はおろした膝を床上で止めずに床に着地して行う。
いずれも左右10セットほど行うと効果的です。

鍛える

筋肉を緩め、股関節の可動域を広げていますので、筋肉が効率的に鍛えやすくなっています。
まず、ヴァラバッドラアーサナⅠの時の前足に必要となる外旋筋群を鍛える動きです。
how to 仰向けになり、両膝を立てて開き、手で膝を脇に引き寄せる。膝の内側に腕を乗せ、足と腕で押し合う。そのまま4呼吸。
お尻の奥のどちらかと言うと裏側が緊張しているのが感じられると思います。この動きは外旋筋群だけでなく、同時に内転筋群も鍛えられます。何度か繰り返します。
次に、ヴィラアバッドラアーサナⅠの時の後ろの足に必要となる外転筋群を鍛える動きです。
how to 四つ這い。片足ずつ行う。吸 足を後ろに引いて膝を伸ばして上に上げる。吐 膝を胸に引き寄せる。吸 足を後ろに引いて膝を伸ばして上に上げる 吐 膝を横に曲げて肩に引き寄せる
片足、10セットほど行うと効果的です。
point 後ろに引く時は反動でお腹が床に落ちて行かないようにお腹を平らに保ってできる限り足を高く遠くへ伸ばして上げていく。膝を胸に引き寄せる時は背中を丸めずに平らに保ったまま引き寄せる。(お腹を使わず出来るだけ腸腰筋を使えるようにするため。)横に曲げる時は重心が逆側にぶれないよう、真ん中に背骨を保って出来るだけ膝を高く深く曲げる。
上記2種だけでも十分に股関節に変化を感じていただけますが、最後に、外旋筋群、外転筋群、両方同時に鍛える動きも行い仕上げていきます。
how to 膝を立てて仰向けになる。足は腰幅に開き足の間を平行にする。膝の真下に踵がくるようにするとやりやすいが、強度を上げたい場合は膝の真下に踵がくる位置から足を半歩前に着いておく。
ハーフブリッジ 片足四の字 プッシュアップ

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